十勝岳の噴火警戒レベルは、2026年9月12日(土)9時30分に「2(火口周辺規制)」から「3(入山規制)」へ引き上げられた。気象庁が9月18日16時00分に発表した火山の状況に関する解説情報でも「火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続」とされている。美瑛町側では、望岳台からの制限区域内への立ち入りが禁じられている。一方で白金温泉地区について、美瑛町は「平常営業」と発表し、北海道は「避難情報は発令されていません」としている。美瑛町の案内図は、同じ白金温泉地区の住民・事業者・観光客に「いつでも避難できるよう準備を開始してください」とも呼びかけている。
この記事は2026年9月21日時点で、美瑛町「十勝岳について」・気象庁「火山活動の状況(十勝岳)」・北海道「十勝岳は噴火警戒レベル3(入山規制)となっています」に載っている内容をまとめたもの。規制の内容は火山活動の状況によって変わる可能性があるため、出かける前に最新の発表を確認してください。
望岳台からの制限区域内は立入禁止
美瑛町がページに掲載している案内図には、次のように書かれている。
今後、火口から概ね3kmの範囲まで大きな噴石が飛散する噴火が発生する恐れがあるため、望岳台からの制限区域内への立ち入りは固く禁じられています。制限区域内には決して立ち入らないでください。
(美瑛町の案内図「十勝岳噴火警戒レベルの引き上げについて」より)
案内図は62-2火口を中心にした半径およそ3kmの円を示し、望岳台ゲート・望岳台などを「レベル3立入規制箇所」として印を付けている。図の文字は小さいため、この記事では個々の地点名を書き写していない。規制箇所の位置は、美瑛町のページに掲載されている案内図で確認できる。
気象庁の警戒事項は「62-2火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴い弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。地元自治体などの指示に従って危険な地域には立ち入らないでください」というもの。風下側では火山灰や小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため、注意するよう書かれている。
| 引き上げ | 2026年9月12日(土)9時30分、札幌管区気象台が発表 |
|---|---|
| レベル | 2(火口周辺規制)→ 3(入山規制) |
| 規制の範囲 | 62-2火口から概ね3kmの範囲 |
| 美瑛町側 | 望岳台からの制限区域内への立ち入りは固く禁じられている(町の案内図) |
| いちばん新しい発表 | 2026年9月18日16時00分「火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続」(気象庁) |
| 警報の対象市町村 | 富良野市・美瑛町・上富良野町・南富良野町・新得町(気象庁) |
白金温泉地区は平常営業、避難情報は出ていない
美瑛町は、今回の規制の範囲について次のように発表している。
なお、今回の規制は火口周辺のみの規制で、白金地区及び居住地区への規制ではありません。白金温泉地区は、平常営業しており、今後の火山情報に留意し、通常通りお過ごしください。
(美瑛町「十勝岳について」より)

北海道が9月18日に更新したページにも「白金温泉地区には、避難情報は発令されていません」と書かれている。同じページによると、避難情報が出ているのは吹上温泉地区(避難指示)と十勝岳温泉地区(高齢者等避難。速やかに自力で避難することが難しい方が対象)で、どちらも上富良野町側の地区にあたる。上富良野町・富良野市側の施設の対応は、富良野市・上富良野町の十勝岳の噴火警戒レベルが3(入山規制)に引き上げにまとめている。
一方、美瑛町の案内図は、白金温泉地区に向けて別の呼びかけも載せている。
白金温泉地区にお住まいの皆様、事業者の皆様、および観光客の皆様におかれましては、今後の火山活動に関する情報に十分注意し、いつでも避難できるよう準備を開始してください。
(美瑛町の案内図「十勝岳噴火警戒レベルの引き上げについて」より)
美瑛町のページには、「十勝岳噴火時における白金温泉地区避難経路図」のPDFへのリンクが置かれている。美瑛町はこの経路図について「万が一の事態に備えて事前に確認しておきましょう」と書いている。

引き上げの理由は地震の増加
美瑛町のページに載っている気象庁の資料によると、十勝岳では8月17日から振幅の大きな火山性地震(硫黄沢観測点で最大振幅2マイクロメートル以上)が増えている。一連の地震で最も大きかったのは9月12日8時20分頃の地震で、最大振幅は山麓の硫黄沢観測点で約24マイクロメートルと、山麓で体に感じる揺れがあった可能性があるとされている。
9月18日の解説情報では、3月以降に山体付近のやや深部の膨張を示す地殻変動が継続し、4月以降は火山ガス(二酸化硫黄)放出量の増加が認められていることから、火口から概ね3kmの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性が高まっているとしている。噴火警戒レベル3がどの段階にあたるかは、9月12日の記事で気象庁・富良野市の説明をもとに整理している。
白金地区では9月14日以降、防災の工事が始まる
北海道開発局旭川開発建設部と北海道上川総合振興局旭川建設管理部は、十勝岳の噴火警戒レベルが3に引き上げられたことを受けて、積雪期の火山活動の状況変化に備えた監視体制の強化と事前防災対策を実施すると2026年9月14日に発表した。施工場所は美瑛町白金地区と上富良野町。
| 監視体制の強化 | 旭川開発建設部(国)=監視カメラ、土石流センサー等の設置/旭川建設管理部(北海道)=泥流検知センサーの設置 |
|---|---|
| 事前防災対策 | 旭川開発建設部=導流堤(コンクリートブロック積み砂防堰堤工)、既設えん堤のスリット閉塞工/旭川建設管理部=砂防堰堤堆砂域の掘削 |
| 作業時期 | 両機関とも2026年9月14日以降、準備工に着手予定 |

美瑛町観光協会も9月15日の告知で、この工事について「工事期間中は工事車両等の通行が増えますので、交通安全にご留意ください」と書いている。工事がいつ終わるかは、9月21日時点の発表には書かれていない。
白金へ向かう路線バスは、道北バスの[39]白金線・[42]美瑛白金線が2026年10月1日にダイヤの一部を改正する。こちらは旭川・美瑛の道北バス[39]白金線・[42]美瑛白金線が2026年10月1日にダイヤ一部改正にまとめている。
最新の情報を確かめる場所
火山活動の状況は、気象庁の「火山活動の状況(十勝岳)」で更新される。美瑛町側の規制と呼びかけは、美瑛町「十勝岳について」に載る。美瑛町のページには、気象庁の監視カメラ画像と、国土交通省北海道開発局の火山リアルタイム情報へのリンクも置かれている。
| 気象庁 | 火山活動の状況(十勝岳) |
|---|---|
| 美瑛町 | 十勝岳について |
| 北海道 | 十勝岳は噴火警戒レベル3(入山規制)となっています |
| 問い合わせ | 美瑛町役場 総務課 危機対策室 危機対策係 電話 0166-92-4316(美瑛町のページの表記) |
美瑛町の記事は美瑛町のカテゴリにまとめている。
アイキャッチ写真:PIXTA(文字を加工)
